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イダセイコ@錦糸町080131

 前週の土曜日あたりに来た時には、鬼のような通報ラッシュにより、計4組ほどのストリートミュージシャンが、ひどい場合セッティング中にK32さんの来訪を受けて撤収を余儀なくされたというここ錦糸町です。
 それまでは割とおだやかな土地柄だったので、内心ではビクビクです。ただでさえ、最近は事務所詰めの日が多くなって滅多に来られなくなってしまったというのに、その上厳しくなってしまってはストリート観察ライフに支障を来します。
 ということで偵察の意味をこめて、平日夜に行って参りました。
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 いました、ひとり。
 機材セッティングの位置取りからして、かつて錦糸町で長いことやってたか、痛い目に遭った経験があるのではないかという気がします。この辺りは、現地で体験してみないと分からないことですが、まぁそういう「掟」みたいなものがあるんですね。
 この人はそれを知ってて実践しているようでした。
 声に力があります。
 といっても、力強いという意味の力ではなく、聴いた人の心を掴んだら、もう離さない、という種類の「フシギなチカラ」です。やさしくやわらかく、しかし豊かな包容力。
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 なにより、唄に「込められたもの」がありました。
 それを「魂」とか「気持ち」とか言うのは簡単なことで、それゆえに安っぽい。
 だからあえて何かは言わずにおくのがいいのでしょう。名付け得ぬものに対しては、口をつぐむべきなのです。言葉は理性であり、理性を越えたところにも、「唄」の領域は広がっていると俺は思うのです。

 これと似た感慨を抱かせてくれたシンガーには、kaedeさんがいました。まだ一度しか巡り会っていませんが、歌と唄うことが大好きで大好きでたまらない、という彼女の唄声に、このイダセイコさんの唄声も似ていると思いました。その本質的な「意味」において。
 ふたりの共通点にはもうひとつ、――いきなり現実的なところに話題が飛びますが、メジャーデビューを果たしている、ということがあります。
 やはり、厳しいレースで生き残り、メジャーの切符を掴むような人には、ひとつ図抜けたところがあるのだな、と切実なことを感じました。
 同時に、ストリートではなかなか出会えないほどの力量は、やはり「見る人」の目には留まるものなのでしょう。その意味では、これはなかなか良いことでしょう。
 
 
 それにしても――
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 いやー(;´д`)いくらなんでもこの真冬に裸足はねぇべさ。
 訊いてみたら、「本番の時すごく緊張しやすいんですけど、緊張しないようにいろいろ試したら、裸足になるとあれこれ格好つけなくなって、やりやすかったんです」とのこと。
 余計な見栄を捨てる効果があるんでしょうかねぇ。おもしろいものです。

 ちなみに本人ブログにも当日の簡単なレポが書かれていました。→こちら
 確かに、ものすごく寒い夜でした。それにしては、まんざらでもない夜でした――
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by plummet | 2008-02-04 03:11 | [Ph]Street Live  

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