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カミタミカ@新宿070914

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 遭遇&撮影からずいぶん時間が空いてしまいましたがカミタミカさん。メジャー・デビュー済みですが精力的に路上をこなしているようです。
 張りつめた強い唄声と、メロディの大陸的な響きが印象に残ります。
 彼女については、別ブログでちょいと語ったことがあるので、それをこちらにも掲載してみることにしましょう。

炎がすべてを飲み込むごとく
 カミタミカの唄は、火に似ていた。
 確かな歌唱力。幽玄の雰囲気。自分が今ここにいることを強く強く訴えかける存在感。
 その姿も、唄声も、燃えさかりゆらめく、炎に似ていた。
 圧倒的な歌唱だった。目の前に立っていると、足に力を入れて踏ん張らなければ、倒されてしまいそうなほどに。
 それほどに彼女の唄には、唄以上のなにものかが込められ、観衆に叩きつけられていた。油断をすればその激しさに灼かれそうな迫力だった。
 唄は、カミタミカそのものだった。
 観衆はその時、試されていた。カミタミカというシンガーの全存在を乗せた唄声を、受け止めきれるか、という試しを受けていた。
 炎のような唄声に灼かれるか、耐えきるか。
 それは、シンガーとオーディエンスの戦いの場だった。
 余計な要素が紛れ込めば、たちまちオーディエンスは彼女に灼かれただろう。そこは、そんな聖域だった。それゆえに純化した、祝祭の場だった。絶大な存在感を持った彼女の唄以外には、存在することを赦されない。
 そこには、神すらも存在を赦されない。そんな空間だった。
 だが、その圧倒的な炎に身を灼かれることの、なんという甘美さ。
 灼かれてしまいたい、と思わせるなにかが、確かにあった。
 自分が灼かれてしまうことが、心地よいことに思える空間。灼かれ、砕かれ、微細に散ってしまいたくなるような、魅惑的な感触がそこにはあった。
 シンガー自身が“唄そのもの”へと純化した空間の魅力は、そんな蠱惑的な、あらがいがたいものだった。灼かれ、融かされ、その空間とひとつとなりたい――そんなことを思わせる祝祭の場。
 破壊と同時に再生の象徴とも言われる“炎”――その祝祭に身をゆだねる時、オーディエンスはひととき“再生”の夢を見るのだろう。

by plummet | 2007-10-03 19:57 | [Ph]Street Live  

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